5種混合ワクチンの導入により、4種混合ワクチンの製造中止が発表されており、現在入手することができなくなっております。5種混合ワクチンとは4種混合ワクチンにヒブワクチンを加えたものです。

今までに「4種混合ワクチン+ヒブワクチン」の組み合わせで各3回の接種が済んでいる方は、1期の追加接種である4回目の接種に5種混合ワクチンを用いることができます。一方、注意していただきたいのは「4種混合ワクチン3回+ヒブワクチン4回」といった方の場合、これを行うとヒブワクチンが計5回となり、接種回数が規定の4回を超えてしまいます。これを回避するために、入手できない4種混合ワクチンを「3種混合ワクチン+ポリオワクチン」で代用することが考えられますが、実は3種混合ワクチンも順次、製造中止が決定しており、現在入手は困難な状況です。

したがって、4回目接種の選択肢は5種混合ワクチンしかないことになり、厚生労働省はヒブワクチンが規定回数を超えることを認め、これを正式な定期接種として推進する旨、予防接種の実施主体である市町村に通知を出しております。厚労省がこのような過剰接種を認可するのは極めて異例であり、これは他に解決策が見つからないことを意味しております。現在、一部の自治体のホームページにはこの件に関し「5種混合ワクチンは接種せずに4種混合ワクチンとビブワクチンで行うように」といった記載が見受けられますが、これは4種混合ワクチンがまだ入手可能な時期の対応を示したものであり、現状に合っていない古い記載と思われます。また、いっそのこと4回目は接種しないで終了とする選択も可能ではありますが、免疫的には不完全であることは確かで、最近の百日咳の流行を考えればこれは明らかにデメリットであり、おすすめは致しません。
では、ヒブワクチンを5回接種することに問題はないのかと、電話等で問い合わせがありますが、私個人の考え方としては過去4回の接種で明らかな副反応が出ていなければ、ほぼ問題ないと考えております。5回目だから特に副反応が出やすくなるとも考えにくく、1~4回目と同等ではないかと思っております。仮に副反応が出た場合も定期接種として認めていることから通常の救済制度が適用されます。
現在、厚労省のこうした対応に不安を感じている保護者の方も多いと思います。この方針が今後撤回されることはないと思いますが、すでに3回接種が済んでいれば、基礎免疫は十分に獲得できているはずなので、4回目を慌てて接種する必要はなく、7歳6ヶ月までは定期接種として認められる(自己負担なし)こともお知らせしておきます。
当院の方針としては、ヒブワクチン成分の接種が5回目となることに特段の不安要素はないと考え、上記マーカー部のようなケースには、厚労省の方針通り、5種混合ワクチンを用いて追加接種をすることに致しました。予診票が変わりますことから、鎌ケ谷市民におかれましては市役所健康増進課に事前に申し入れた上で、交換するようにお願い致します。その際、不明な点があれば市役所担当者に直接お尋ね下さい。他市の場合は市の担当課に問い合わせていただくようお願い致します。