経鼻(噴霧型)インフルエンザワクチン「フルミスト」について 2025

フルミストとは、鼻腔内に噴霧する新しいタイプのインフルエンザワクチンです。2024年9月に厚生労働省から製造販売が承認され、日本でも接種が開始されております。当院でも昨年実施いたしましたが、特に問題となる事例はなく、痛みのないメリットは大きいと考え、今年も行うことにしました。まだ一般的には馴染みがないワクチンですので、メリットとデメリットについて整理してみましたので、御覧下さい。(令和7年8月 更新)

メリット
・注射ではないので痛くない
・接種回数が1回でよい
・生ワクチンなので従来の不活化注射ワクチンより良好な感染予防効果が期待できる(現状、データの蓄積が不十分)
・生ワクチンなので効果の持続期間が長い(注射が4〜5ヶ月間に対し概ね1年間) 等

デメリット
・接種対象年齢が限定的(2歳~19歳未満)
・注射ワクチンより単価はかなり高価(ただし1回で完了するので、2回注射の費用とあまり変わらない)
・下記に該当する場合は接種ができない、ないし接種は推奨されない
     免疫不全と診断されている
     妊娠をしている
     アスピリンを服用中
     ゼラチンアレルギーがある
     卵アレルギーで食事制限をしている
     重症な気管支喘息 等

添付文書には次のような記載がありますので念の為ご留意下さい。「本剤は弱毒生インフルエンザワクチンであり、飛沫又は接触によりワクチンウイルスの水平伝播の可能性があるため、ワクチン接種後1〜2週間は、重度の免疫不全者との密接な関係を可能な限り避けるなど、必要な措置を講じること」注:重度の免疫不全者とは一般的に重症複合免疫不全、無ガンマグロブリン血症など難病指定を受け、医療機関で管理されている方を指します。

噴霧直後に鼻水が出ることがありますが
軽く鼻をかむことは問題ありません

副反応について
59.2%の方に鼻閉や鼻水、27.8%の方に咳、1〜10%未満の方に発熱がみられるとされていますが、一般的に軽微です。じんましん、アナフィラキシー等を起こす可能性もありますが、他のワクチンと比べて頻度が高いということはありません。

他のワクチンとの接種間隔について
生ワクチンですが、他のワクチンとの接種間隔は特に考慮する必要はありません。これは口から飲むロタウィスル生ワクチンと同様の扱いです。
※種類の違う注射生ワクチン(例えばMRワクチンと水痘ワクチン)は同時接種は可能ですが、別日に行う場合は4週間の間隔が必要です。
また、当院では本ワクチンと他のワクチンとの同時接種は行なっておりません。

料金は8,000円となります。注射は1回3,500円です。予約受付開始は9月中旬頃ですが、いずれもネット予約のみとさせていただきます。使用期限の短いワクチンですので、無断キャンセルの無いよう、お願い致します。当日キャンセルは体調が悪い場合に限らせていただきますのでご了承ください。また、注射ワクチンと経鼻ワクチンを別日に両方接種することは可能ではありますが、有効性については不明ですので、現状おすすめは致しません。